2010年9月15日水曜日

専門家のご助言を頂戴して

明日の分として先ヅモで書きます。

先日、ある臨床心理士の方にお話を伺ってきました。日本のADHDはじめ発達障害の世界では有名な、専門家としては中心的な存在でいらっしゃる方です。
(お名前を出しても特に問題は無いとは思うのですが、諸事情を鑑み、無難な方に考え、敢えて今この場ではお名前は伏せさせていただきます。)

大変にお忙しい中、限られたお時間を頂戴したのですが、時間いっぱいにお話をさせていただき、貴重なご助言をいくつも頂戴しました。備忘録として、以下にご助言いただいたことをまとめたいと思います。

(1)主に成人発達障害全般について:
・成人発達障害の世界での自助活動、支援活動は諸々の事情で難しい面がある。

・当事者間で活動するのは良いが、例えばフラッシュバックやうつ症状が出てしまったとき等の万が一の場合にも備え、お互いに専門の医師や心理士などの専門家の指導があることを前提とすべきではないか。


・成人発達障害を診れる専門医師が増えてきたとはいえ、まだまだ専門医師の数や医師一人当たりの負担の面で課題があり、支援団体からのサポートもお願いしにくいのが現状。
・現状、老舗の支援団体などでも、成人向けの自助活動、組織を積極的に行う、作るなどしていないのはこれらの事情のためではないか。
・人格障害系の成り済まし者が存在し、なおかつ支援団体などの活動に紛れこんできて他の当事者に迷惑がかかっているのは、まさにその通り。

・発達障害などの精神医療の面に工学を応用しようとするのは、既に動きがある。
・「福祉工学」という分野ができているし、「DO IT プログラム」というプロジェクト、概念も日本の国内外で広まり、進行しつつある。先日も東大でそれに関連した会合があった。
・MicrosoftやSoftbankなどをはじめ、様々な企業が当事者支援のアプリを開発してくれるようになってきている。

(2)主に小生個人へのご助言:
・家族、特に妻が非常に理解があり、対人関係のスキルなどを持つ健常者ならば、妻に(もちろんできる範囲で)日常生活での専属コーチになってもらうべきではないか。
・SST(ソーシャルスキルトレーニング)の講座なども、夫婦で出てみてはどうか。
・対人関係のスキルは、場面ごとのパターンを暗記できる、頭に叩きこめるならば、それにより対処、向上させることは戦略として可能。

・あまり心理士をコロコロ変えたり、複数の心理士を並行させるのは、諸々の点を鑑みると良くないのではないか。
・過去の失敗の振り返りについて。うつ状態でなければ、改善のステップに取組んで良いと思うが、フラッシュバックなどのリスクもあるので、主治医にその旨を相談した上で進める方が良い。

・特に日本の中では、自分で思ったこと、本音そのままをズバリ指摘してしまう、言ってしまうことが正解ではない。
・むしろ、そのように言ってしまうことにより、相手が気を悪くしてしまいマズいということは、ある。
・また、特にその相手が専門家であり、自分がその分野の素人である場合には尚更。
・言い方を丁寧にすることでカバー・フォローできる場合もあるが、どんなに言葉を丁寧にしても意図を見抜かれる、または何らかの別の意図があると誤解されることもある。

等々。まだ書ききれないこともあるかと思いますが、思い出す範囲で急ぎ書きだしました。細部は捉え違えている面もあるかもしれませんが、気付いた範囲で後から補足修正したいと思います。

また、このような直接的、明示的なご助言もさることながら、相手の話の聞き方や助言・指導の仕方など、対人関係のスキルという面で、非常に長けておられる印象を受けました。限られた時間内でしたが、1対1でお話させていただいた中で、そのような話し方、聞き方一つ一つが大変勉強になりました。決してお世辞でなく、そこはさすがケアの専門家、プロと感服するものがありました。その意味でも、非常に貴重な、有意義なお時間であったと思っています。

同時に、これまでお世話になってきた心理士の方々のお話の仕方、聞き方も、今思えば、やはりこの方と同様に、スキルとしてきちんとしたおられたと記憶しています。自己分析するに、当時はまだ、小生自身の対人関係スキル、およびそれに関する問題意識が低かった(仕事のことや時間管理など他のことに注意関心が行っていた?)ことから、当時お世話になった心理士の方のそれに気付かなかった(気付けなかった)のかな、と反省しています。

やはりどのような分野でも、その道の専門家の存在やご意見をなおざりにしてはならないと、改めて思いました。言い訳のようですが、概念的には以前からそう思ってはおり、自サイトにも書いてはおりました。が、そう思いつつ、書きつつも、自覚なくなおざりになっていた面は少なからずあるのかなと改めて反省した次第です。

折しも、自サイトのリニューアルも進めており、今回学んだことを早速反映させたいと思っています。(実は、今進めているサイトリニューアルの時期を今のこの時期としたのも、一つには今回の専門家の方とのお話のタイミングを踏まえて、ということもあります。)

最後に、「是非、成人発達障害の活動に関連して、何かお手伝いをさせてください」という小生の身勝手なお願いに対し、前向きなお答えを頂戴しました。非常に有難いです。
重ね重ね、ありがとうございました。改めてお礼を申し上げたいと思います。

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