2010年6月17日木曜日

脳科学と自己改善

昨日、久しぶりに手持ちの本を読み返してみました。
十数年前に買った脳科学の本。特に、ニューロンやシナプス、ヘッブの法則といった神経科学の基礎的なところを重点的に読み返しました。
十数年前の段階での知識なので、その後はどうなっているのかと、少しだけネットでも調べてみました。ちょっとだけしか調べていないので、十数年で何がどれだけ進歩したかはまだ分かっていませんが。。

で、改めて思ったのは、脳を物理化学的な対象として分析する神経科学、特にそれを数理モデル化した理論神経科学で、人間の能力的、性格的特性って殆ど説明がつくんじゃないか、ということ。
もちろん、今現在でも「全て説明がつく」なんて証明はされていませんが、十分その見込みはあるんじゃないかと思った次第です。

物心二元論とか、霊的な考えとか、高次の世界とか、量子脳理論とか、今まで色々な思想の本を読んではきましたが、当時から小生個人的にはどれも懐疑的でした。もちろん、思想信条の自由があるので、決してこれらの価値、意義を全否定する気はありません。ただ、個人的には、こういった思想、理論は人間の能力的、性格的特性を説明する上で「必要ない」んじゃないかなぁ、と。

話は戻りますが、特に脳の可塑性、ひいては成人発達障害における性格的、能力的な改善という観点から拠り所になるのが「ヘッブ(Hebb)の法則」だと思います。脳は海馬とか色々な部位に分かれていますが、どこも例外なくニューロン、シナプスといった”素子”で作られています。で、それらの素子はヘッブの法則にしたがって振舞います。人間の性格的、能力的な面は、恐らく、どちらも同様にこれらの素子の振る舞いの結果として生じるのだろうと予想されます。

ということは、このヘッブの法則を踏まえた、洗練された訓練を行えば、性格的な面、能力的な面のどちらも原理的には改善可能であると考えます。このように捉えれば、人間の性格は変わらないというのも、むしろ疑わしいとさえ言えます。心理学上の定説であったとしても、脳科学の知見に沿って厳密に科学的に証明されていることでも何でもないと思うので。

考えてみれば、サイトの記事にもした催眠、とりわけ河野良和氏の開発した感情モニタリングなる方法も、このヘッブの法則と親和性の高いものです。もちろん、現状の脳科学、神経科学の成果から、催眠などのメカニズムを完全に解明できると言い切るのは論理の飛躍も甚だしいと思います。ただ、あくまで予想として、十分見込みはあるんじゃないかなぁということです。

改めて良い刺激になったので、引き続き効果的な訓練法を考えてゆきたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿